健康まめ知識
乳がん検診・子宮がん検診に関する質問への回答

昨年は、乳がん検診・子宮がん検診に関するアンケートにご協力いただき、誠にありがとうございました。
前回の『健康豆知識』では、子宮がん検診に関するQ&Aを掲載させていただきましたが、 今回は、乳がん検診に関する質問の回答をさせて頂きます。

Q.50代だが女性医師を望む
A.当院の乳腺科医師は、月曜日は男性医師、木曜日は女性医師が担当しています。
それぞれの医師の詳細については、当院ホームページをご参照下さい。

Q.乳がん検診は、毎年受けるべきか、2年に一度で良いか?
A.「がん検診に関する検討会(厚生労働省)」において、乳がん検診の受診間隔について検討した結果、2年に1度とすることが適切であるとされています。
また、当面は、現行の推奨(マンモグラフィ隔年検診、40歳以上)を継続する事が妥当であると判断しています。 但し、家族歴で乳がん、卵巣がんの方がいらっしゃる、乳腺疾患の既往歴がある、ホルモン補充療法をしている、などの方は、1年に1回の検診をお勧めします。

Q.マンモグラフィではなく腫瘍マーカーでは駄目でしょうか?
A.厚生労働省による乳がん検診の指針では、40歳以上の女性は、問診とマンモグラフィ検査を、2年に1回行うとされております。 超音波検診、MRI検診は、死亡率減少効果(=検診の有効性)が証明されていません。但し、マンモグラフィに超音波検査を併用する方法は、乳がんの検出率が上がるという学会の報告があります。
腫瘍マーカーとは、がん細胞で産生・分泌されるたんぱく質の量を、血液や尿を用いて検査する方法で、がんの診断の手がかりとするものです。 あくまでも手がかりですから、どのようながんであっても、これだけで診断することはできません。特に、早期の乳がんを腫瘍マーカーで特定するのは困難とされています。
乳がん診療のガイドラインでも、問診や、マンモグラフィなどによる画像診断に、より重きを置いていて、定期的な腫瘍マーカーの測定はすすめてはいません。 しかし、がん再発時における病状の把握や、治療効果を確認する手立てとして、腫瘍マーカーは用いられています。

Q.マンモグラフィは痛いと聞くが?
A.乳房は、排卵後から月経が始まる頃まで、卵巣から分泌されるホルモンにより影響を受け、乳房がしばしば硬くなったり、痛みを感じたりします。
なるべくこの時期のマンモグラフィ検査は避けて、出来れば生理が始まって2〜3日後から1週間ぐらいの、乳房の柔らかい時期に検査を受けた方が良いでしょう。
勿論、乳房を、左右(場合によっては上下も追加)から撮影用の板を使って挟むので、痛みを伴いますが、挟む事によって病変を描出します。 ちなみに、圧迫乳房厚が10mm薄くなると、被ばく線量は、約半分になります。圧迫という行為は、非常に重要なのです。
また、乳房厚を薄くすると、鮮鋭度の優れたきれいな写真が撮れます。当然、診断能も向上します。圧迫する事の重要性をご理解いただけたらと思います。

Q.痛みの無い方法を開発して欲しい
A.前述しましたが、痛みを伴います。我々も、なるべく痛みが伴わないよう努力します。 また、皆様のご協力により、検査をスムーズに行い、検査時間の短縮に努めてまいります。
※現代の医学では、まったく痛みの無い検査方法はありません。
最近、PETによる乳がん検診の質問も受けますが、静脈注射が必要なことや、15分近く検査台から動いてはいけない事を考慮すると、痛みが無い検査とは言えません。

Q.健保の乳がん検診で、触診がなくなったのでやって欲しい。
A.視触診は、乳がんを発見する最適な検査法であるとは言いがたいです。
また、医師の確保が困難であることや、視触診の手技に関して、十分に習熟していない医師によって実施されることもあり、検診精度面での問題点も指摘されています。
厚生労働省「がん検診のあり方に関する検討会」(平成27年9月29日)においても、
- 視触診については、死亡率減少効果が十分でなく、精度管理上の問題もあることから推奨しない
と提言されております。
最近では、視触診よりも、自分で乳房をさわってチェックする、『自己検診』が重要とされています。乳がん患者さんの約半数が自分で乳房の異変を見つけています。
当院でも、マンモグラフィ検診受診者には、『自己検診』に関する掲示物の閲覧をお願いしています。
また、『自己検診』に関しては、当院のホームページ『健康豆知識』のバックナンバー
2013年5月号『乳がんの自己検診(セルフチェック)について』
でも記載していますので、ご参照願います。

Q.どの検査が効果的か?どの頻度で受診すれば良いか?
A.前述したとおり、乳がん検診はマンモグラフィによる隔年検診、40歳以上となっています。
ただし、前述した『自己検診』で乳房やワキの下などに異常を見つけたら、次の検診を待たず、すぐに乳腺科で診察を受けて下さい。
また、乳房にはひとり、ひとり、違った特徴があり、これはマンモグラフィ上、1.脂肪性、2.散在性、3.不均一高濃度、4.高濃度といった『乳腺評価』という項目でチェックされます。 1・2はマンモグラフィ検診が適している乳房、3・4は超音波検査の併用が望ましいとされています。
ご自身の乳房が、どれに相当するかチェックしてみて下さい。
分からない事があれば、乳腺科医にお気軽にご相談下さい。

Q.右胸のしこりが心配
A.すぐに、医療機関を受診し、乳腺科で診察を受けて下さい。

多摩海上ビル診療所 放射線科



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