健康まめ知識
実はこわい脂肪肝

みなさん市民健診、人間ドックなどで肝臓の数値に異常があると指摘されたことはありませんか?B型肝炎、C型肝炎などのウイルスを調べても問題なく、自己免疫性肝炎などの特殊な肝炎でもなく、「脂肪肝です。肝臓がフォアグラ状態です。」といわれ一安心。医師からはやせなさい、食生活の改善、運動の促進をいわれたけど、毎年言われ続けているし、まあいいかと思ってはいませんか?

みなさんも御存じのようにメタボの方が増え、実に健康診断受診者の30%の方に脂肪肝があるといわれています。日本全国では1000万から2000万人とされています。この中に肝硬変や肝がんに進行する非アルコール性脂肪肝炎(NASH)が含まれています。NASHとそれ以外の脂肪肝を厳密に区別するには肝生検といって肝臓に針をさして、組織をとり、顕微鏡でくわしく観察することになります。入院も必要です。日本人での脂肪肝の人口を考えるとはっきりいって現実的ではありません。またNASHではなくても脂肪肝自体が狭心症、心筋梗塞などの心臓病、脳梗塞などの脳血管障害、肝がん以外の発がんとも関係していることがわかってきました。生活習慣病である高血圧、脂質異常症(高コレステロール血症)、糖尿病とも密接に関連しています。

このようにたかが脂肪肝ではないのです。
治療の基本はほかの生活習慣病と同様、食事と運動です。薬による治療(脂質異常症、高血圧、糖尿病の薬の中にはNASHにも効果があるとされているものもあります)もおこなわれますが、体重などの減量がむずかしい症例には手術が選択されることもあります。
健康診断で異常を指摘された場合そのまま放置せず、健診施設の指示にしたがいきちんと受診してください。NASH、肝臓の線維化が進んでいる症例、他の肝疾患との鑑別が必要な症例、非肥満例、その他の疾患が原因である脂肪肝は専門施設にも紹介いたします。

多摩海上ビル診療所   鴨下 宏海



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