健康まめ知識
夏ばて2014版

今年は6月なのにすでに夏日が観測されています。地球温暖化に加え、都市部ではヒートアイランド現象があるかもしれません。さらに、3年前の3・11東日本大震災以来の原発問題や地球環境問題、CO2排出の点からも今年も節電は必要でしょう。涼しい快適な環境に慣れた現代人にはつらい季節です。

本来夏場では、自律神経のはたらきにより、暑い中で人間の身体は汗をかき、血管を拡張させることで体温を調節します。しかし最近のように、外は酷暑でも室内はクーラーのおかげで寒いくらい、という両極端な環境を何度も行き来していると、自律神経による調節ができなくなってしまいます。そのために非常に疲れてしまい、身体がだるい、立ちくらみがするといった症状が現れます。また、イライラしたり集中力がなくなったりもします。加えて夜間も寝苦しいため睡眠不足になり、暑いので冷たいものを飲み過ぎて胃腸の調子を崩すこともあります。こうしたことが複雑に絡み合って起こるのが夏バテです。夜も暑いからといってクーラーをつけたまま寝るのは、身体に良くありません。室温が下がり身体が寒さを感じるようになると、寝ている間でも身体が熱を出そうと働くため、起きた時に疲れやだるさを感じます。そうはいっても、やはり暑くて寝つけないのは困りものです。そこで寝る前にクーラーで部屋の温度をある程度まで下げておき、寝る時にはクーラーを切る、タイマーを利用して就寝してから1〜2時間後に電源が切れるようにする、などの工夫をしましょう。その際、クーラーの風は直接、身体に当てないよう上向きにしてください。また、除湿機能を活用することも有効です。この時期は暑さをしのぐために冷たいものを多くとるせいで、胃腸に負担がかかっています。

とはいえ、熱中症を防ぐためにも適切に水分をとることは大変重要です。暑いと冷たい水を一度にたくさんとりたくもなりますが、弱っている胃腸にさらにダメージを与えます。少量ずつ数回にも分けて、また冷たい水の場合は口の中に含んで少しぬるくしてから飲むといいでしょう。日本人は塩分のとり過ぎで高血圧になることが多いのですが、夏場は汗といっしょに塩分も多く排出されることが多く、そのため血圧が一時的に下がることがあります。こうした理由から、高血圧で通院なさっている患者様で夏になると一時的に血圧が下がる方がいらっしゃいます。そのような場合、血圧の薬を調節する必要がありますので、自分で判断したりせず、必ず、かかりつけの医師にご相談ください。世間でいわれている体調維持に良いとされる食品でも、持病により摂取を控えるべきものがあります。どんな薬を服用しているので、どのような食品は避けるべきか、医師または薬局の薬剤師にあらかじめご相談ください。また糖尿病の方にとって、ペットボトル飲料による水分補給は、その中に含まれている糖分が血糖値に影響を及ぼすこともあります。適切な水分補給のしかたや量などを医師にご相談ください。

昼間、暑いとどうしてもクーラーの設定温度を下げたくなります。しかし、あまりに外気温との差が激しいと自律神経のバランスが崩れてしまい、夏バテの大きな原因となります。夏の快適温度は25℃ですが、暑い日でも外気温よりマイナス5℃以内になるように設定しましょう。つまり35℃の日の設定温度は30℃程度になります。ただし、外気温が40℃近くになると5℃の温度差ではまだ暑く感じる人も多いでしょう。この場合は室内に長くいる人が快適に過ごせる温度に設定してもかまいません。また、湿度を40〜50%まで下げることでかなり快適になります。夜も暑くて寝苦しいので、ついお酒に手が伸びてしまう、という方も多いのではないでしょうか。アルコールは少量ですと、かえって興奮して寝つけなくなります。また利尿作用があるため、トイレにいきたくなり、睡眠不足の原因にもなります。このようなことから、夏バテを助長することになりますので、寝酒はお勧めできません。睡眠に影響を与えないお酒の飲み方は、就寝の3時間くらい前までに日本酒一合程度まで、といわれています。うなぎや豚肉、枝豆、納豆、豆腐などに含まれるビタミンB1やB2、グレープフルーツジュースや梅干し、酢などに多いクエン酸は、体調を整え、健康を維持するためにぜひとりたい食品です。豚肉なら「冷しゃぶ」にするなど夏でも食べやすいような工夫をして意識的に食べるようにしてください。こうした食品が苦手でどうしても食べられないという人は、サプリメントを活用してもいいでしょう


多摩海上ビル診療所 鴨下宏海



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