健康まめ知識
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夏場の漢方治療  2003年8月

 今年も夏になりました。暑い日が続くと夏負けになる方も多いのではないでしょうか。ところが、我々が日常行う西洋医学にはこの『夏負け』という概念がありません。皆さんが、暑さのため倦怠感が強くなり、食欲不振になったとしても、ご近所の先生は胃薬とビタミン剤程度しか下さらないでしょう。ところが、漢方では『夏負け』を立派な病気として扱います。紀元前後に書かれた古典の本には「注夏病」という名前で既に記載されています。
 漢方で、『夏負け』の場合に一番使われるのは「清暑益気湯」でしょう。漢方の古典には「夏の暑さで熱放散がされず、心身が疲労し、手足がだるく、気力がなく、胸が苦しく、お腹が張り、尿が黄色く、下痢し、口が渇き、食欲もなく弱っているものを治す。」と書かれています。私自身、毎年夏になると御世話になっています。このお薬は、どちらかというとやや虚弱な方(虚証)向きのものですが、どのような方でも試される価値はあると思います。
 食欲不振が強いときには、「六君子湯」がしばしば使われます。また、「半夏瀉心湯」に生姜の汁を数滴たらして内服すると効果的なこともあります。冷たい飲み物を飲みすぎた時には「五苓散」や「人参湯」がよいことがあります。「五苓散」は、胃がチャポチャポした時や、下痢でも使われます。
その他の症状にも様々なお薬で対応できますので、是非ご相談下さい。
水曜日 午前 漢方外来担当  室賀 一宏 医師

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